要注意!辞めた方がよい薬剤師の職場、5つの特徴

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薬剤師の転職理由は様々ですが薬剤師不足に悩む企業・病院の中ですぐに薬剤師が辞めてしまう職場には客観的に見て特徴があります。正社員・パート・派遣で転職をされた薬剤師さんにインタビューし、薬剤師から見た「辞めた方がいい職場の特徴」をまとめてみました。

長時間労働の職場

まずはどんな業態・職種でも避けるべきは長時間労働をしなければならない職場です。これは辞めた方がよいと思いますしブラック企業の代名詞です。薬剤師の職場には病院・薬局・ドラッグストアがありますが、病院・薬局は診療・営業時間終了後にすぐに帰ることができなかったり、ドラッグストアは長時間営業なので交代人員がいないなどで長時間労働になりがちです。

病院で残業が多くなるのは人手不足が原因となっています。病院の薬剤師業務は病院によって様々ですが病棟・調剤など、または病院内のルールによる業務などが上げられます。病院では医師・看護師を筆頭に人員が不足している職場で、残業が当たり前になっている病院も多々あります。病院では人の命に関わる医療要素が高く、残業を減らすことができない部分もあります。

調剤薬局は日中業務が忙しく、処方箋もかなりの枚数をこなしていると営業時間外に薬暦の記入が発生します。また、忙しい調剤薬局では昼間の業務をスムーズにするために営業時間後に翌日の準備や当日の残務処理をすることになるのでどうしても残業が増えます。

ドラッグストアはサービス残業が非常に多い職場で薬剤師でも出社してから1時間後にタイムカードを押したり、タイムカードを押してから2時間ぐらいしてから帰宅などそんな話もよく聞きます。最近では薬剤師がいないと販売することができないOTC薬も増え、規制も厳しくなり働く側に負担をかけている気がします。

しかし、面接や説明会などでは本当の現場の状況はなかなかわからず、人事の方が「うちは残業がものすごく多いよ!」とは言わないので入社に悩んでいる方は転職前に拘束時間が長すぎないか、チェックしてみるのもひとつの手段です。
可能なら夜遅くに、薬局の周りを通ってみるといいでしょう。
いつまでも開いていて、処方箋を受け付けているようなら、拘束時間が長い可能性があります。
また、閉まっていても電気がついてるなら、営業時間終了後に薬暦記入や翌日の準備業務を行っている可能性が大きいです。
何日か通ってみてチェックしてみましょう。当然ながら残業の多い職場で有給消化率は非常に悪いところがほとんどです。
面接時に質問しても上手にはぐらかされなかなか事実も知ることは難しかったり、突っ込んで聞いてしまうと評価を落としてしまいます。そんな時は人材紹介を通して面接を組めば、事前にある程度ことは知ることができます。

すぐに管理者(管理薬剤師)にさせられる

すぐ管理職にさせる職場は、これもまたかなり要注意です。
特に「新卒なのに1年程度で管理薬剤師にさせる職場」は、やめたほうがいいです。
これは薬剤師インタビューの中でおっしゃっていました。普通であれば早いうちから管理者を任せられるのは喜ばしいことですが薬剤師の世界では少し違うようです。

また、中途採用ではあるものの、調剤薬局未経験で入社するのに、面接の時点から「1年くらいしたら、現場の管理を任せたい」と言われる所も、気を付けたほうがいいでしょう。
たしかに薬剤師は国家試験を合格してからでないと、薬剤師として働くことはできません。
また、管理薬剤師になるために、特別な資格はありません。
しかし、新人薬剤師が一人前になるには、3年はかかります。
それだけ覚えるべき薬の量は膨大なのです。
膨大な薬を覚えた上で、職場のルールや調剤報酬を理解するには、更にあと1~2年は必要でしょう。
人手不足だからと、新人を早々に管理薬剤師にさせると、現場に不満が溜まり、一気に不満の矛先が向かってしまい、働きづらくなることが考えられます。
そして管理薬剤師になると、自分より年上のスタッフや職場歴の長いスタッフにも仕事のお願いをしたり、時には注意をしなければなりません。
そのことがストレスになるようでしたら、まだ管理薬剤師になるのは早いでしょう。
また、管理薬剤師などの管理職になると、給料体系が変わるところもあります。
管理薬剤師手当が付く代わりに、残業代が出なくなるなどです。調剤報酬は年々減らされており、上から人件費を減らすよう、強く言われることもあるようです。
一般社員やパート、バイトを残業させると、残業代が発生します。
その残業代についても人件費となるので、残業代が出ない管理薬剤師が多く残業をする傾向にあるようです。
ですので管理薬剤師をするつもりがないのにすぐに管理薬剤師をさせる職場はやめておいたほうがいいです。
また、管理薬剤師を希望している方は、残業代や休みについてもしっかりと確認してから転職しましょう。

人間関係が悪い職場

人間関係が良くない職場もやめたほうがいいです。
人間関係は薬剤師同士や事務員など薬局内の同僚や、近隣病院のスタッフ、来局する患者さんなど多岐に渡ります。
しかしながら特に重要なのは、薬局内の人間関係でしょう。
上司以外にも先輩薬剤師が新人薬剤師に指導するのは良くあることだと思います。
しかし、上司や先輩の厳しすぎる指導で精神的に参ってしまうのは良くありません。
心身共に疲れて、心が病んでしまう前に辞めてしまったほうがいいでしょう。
私も以前、調剤薬局チェーンの人事を行っていた時に心が病んでしまった薬剤師を多くみてきました。原因は業務オーバーと人間関係が原因でした。そして薬の知識があるという自信から簡単に睡眠導入剤などを飲むようになりさらにひどくなってしまったケースを見かけました。

研修・教育がまったくない職場

あまりにも忙しく研修・教育がまったくない職場も、退職を考えたほうがいいでしょう。薬学を卒業するだけでは薬剤師が現場で働く為には知識が不足しています。日ごろの学習や新しい情報も得ていかないと医療人として働いていくのは難しいと思います。薬物相互作用で死亡する例も多々あり、有名な事件ではソリブジン事件などがあります。
調剤過誤や対応要注意の患者さん、病院についての情報は全員で共有すべき情報です。
それなのに何も教えてくれないのでは、クレームやミスに繋がってしまいます。
クレームやミスをしてしまい、他のスタッフに負い目を感じるのは自分自身です。
辛い思いをする前に退職を考えたほうがいいです。

薬剤師採用負け組

薬剤師は超がつく人手不足になっています。そこには薬剤師の採用に勝ち組・負け組が必ずあります。負け組はひどい薬剤師不足状態になっており、必ずといっていいほど違反になっていることがあります。その多くは薬剤師の処方せん処理枚数の40枚上限を超えていることです。これは厚生労働省令によって定められていますが薬剤師が少なければ当然この枚数を越えています。そのような職場で仕事をするのはいろんなリスクを抱えていますのでせっかく取得したライセンス(薬剤師免許)に傷がつくこともあるので気をつけなければなりません。
また、管理薬剤師でありながら他店舗で調剤を行うのも違反です、しかし、管理薬剤師が他店で調剤をさせられているところも多く、Yahoo知恵袋で相談されている方も多くいますので氷山の一角だと思います。
法律を全く守らずに、薬剤師をリスクにさらしている行為です。
その様なことを平気でする職場は、辞めましょう。

まとめ

最後に、今回挙げた辞めた方がよい薬剤師の職場の特徴は調剤併設型ドラッグストアでよくあることかと思います。
薬剤師として就職し、調剤業務を中心にやっていても、薬剤師としての仕事以外の割合が高い職場です。
具体的には食品などの医薬品以外の管理や、レジ打ちなどです。
こちらについては好き嫌いが分かれるところかと思いますが、「調剤ばかりだと飽きてしまうから、気分転換を兼ねて他の職種こともやってみたい。調剤以外の仕事も楽しい」と思える方はこのままでいいでしょう。
しかし、「薬剤師なのに調剤以外の仕事をやらされる。薬剤師なのに何をやってるんだろう」と思い悩んでしまう方は退職を考えた方がよいでしょう。
理想は仕事をしながら身に着けることですが、薬剤師として身に着けなければいけない知識が多々ある中で品だし、レジ打ち、社内報告書の仕事で薬剤師としての知識を身に着けられなかったり、毎日帰るのが遅くなり自分の勉強の時間が持てなかったりするのは薬剤師として残念なことです。

今回の辞めた方がよい薬剤師の職場、5つの特徴はいかがだったでしょうか?

特に若い薬剤師はお金の為よりもまずは薬剤師として1人前になれるような職場を選ぶのがインタビューをした薬剤師(40代)の言葉でした。
あなたが転職しようとしている薬局や働いている薬局は、これらの特徴に当てはまっているのであればもう少し深く考えて退職を検討したほうがよいのかなと思います。
あなたの希望に合う職場は、きっと他にあるはずです。
職場は長い時間過ごす所となります。
自分の理想に近い所で気持ちよく働き、薬剤師としての知識や技術を更に磨いていきましょう。

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