新卒じゃない薬剤師が総合病院や大学病院の薬局に勤務する方法

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総合病院や大学病院などの大規模病院は、薬剤師の就職先として今とても人気が高いです。

私は、以前病院薬剤師として総合病院に勤務していました。

そこでの経験はとても貴重なものになり、その後の仕事にとても役に立ちましたので、大規模病院が人気の理由が分かりますし、また一人でも多くの薬剤師に大規模病院での経験を積んでほしいと思っています。

このように得られる経験やスキルを考えると、大規模病院はぜひともおすすめしたい就職先ではあるのですが、実は一つ残念なことがあるのです。

それは、多くの人が就職を望んでいる総合病院や大学病院のほとんどは、新卒の薬剤師でないと就職が難しいという現実です。

薬剤師として調剤薬局や診療所で何年か働いた後、大規模病院に転職したいという人だってきっと多いはずなのに、卒業して何年か経ってしまったというだけで、大規模病院の募集要項の条件に合わず転職をあきらめてしまう人も中にはいるのではないでしょうか。

しかし正社員の募集がないからと言って、まだまだあきらめる必要はありません。

今回は、私自身の経験から、新卒ではなくても大規模病院の薬局に勤務する方法などについてお話していきたいと思います。

大規模病院はなぜ人気なのですか?

大規模病院の人気の理由として、

1. チーム医療の中で薬剤師としての専門知識を発揮するには大規模病院が一番適しているから
2. 大規模病院は小規模病院よりも診療科が沢山あり、薬剤師としてかなり勉強になるから
3. 大規模病院に勤務しなければとれない資格があり、それを目指したいから

ということなどが挙げられます。

いずれも保険薬局や診療所などでは得られないスキルや経験を得て、薬剤師として成長・向上したいという思いから大規模病院への転職を希望していると言えますよね。

そしてその向上心は、保険薬局や小規模病院、診療所などで何年も経験してきたからこそ高まり、結果的に転職という形で大規模病院への就職を考える人も少なくないはずです。

新卒ではなくても大規模病院に転職する方法

先ほどお話ししたように、多くの大病院は新卒の薬剤師を募集します。

大病院の薬剤部に就職したり、実習に行ったりすると分かると思いますが、勤務している薬剤師のほとんどは新卒から就職している人か、または系列病院に新卒で就職してそこから転勤してきた人と言っても過言ではありません。

そんな「新卒文化」が根強い大規模病院への転職はどのようにすれば成功率が上がるのか次の項目で考えてみましょう。

期間限定の薬剤師の募集を狙う

大規模病院は、職員の権利が守られていて、産休・育休を十分に取れるシステムになっているところも少なくありません。

このようなところではときどき産休・育休の薬剤師の代理ということで、期間限定で薬剤師を募集することがあります。

「なんだ、期間限定か・・・。どうせすぐに辞めなければいけないのなら就職しても無駄なのでは?」と思う人も多いと思います。

ですが、そう思う人が多いからこそ「ねらい目」なんです。

かなり人気のある病院の薬剤部の募集であっても、期間限定というだけで応募者がなかなか集まらないことも多いため、応募するとかなりの確率で雇用してもらえるのです。

それに、期間限定であったとしても薬剤部の中で働くことによって、大病院の薬剤部の中でしか得られない病院薬剤師の募集情報を手に入れることができるかもしれませんし、契約期間が終わるころ薬剤部長が同じ系列の病院で薬剤師を募集していないか直接聞いて探してくれることもありますよ。(勤務期間、薬剤部長に次の就職先がどこかで募集していないかどうかたまに聞いておくとこちらの真剣さが伝わるかもしれません)

私は期間限定で大病院で働いた結果、他の大規模病院の募集情報を得ることができたのと、短期間でも病院での経験があることを評価され、転職を成功させることができました。

また、私の知り合いの中にも期間限定の病院薬剤師の仕事から難しいと言われている大学病院への転職を果たした人もいます。

期間限定の仕事だから無意味だとは思わずに、大規模病院で仕事ができるチャンスがあったらできる限り生かして働いてみるというのが一つの手だと思います。

必ずとは言いませんが、次の転職成功の大きなきっかけがつかめるかもしれません。

嘱託薬剤師の募集を狙う

大規模病院の中にはなかなか正社員を募集せず、嘱託職員を積極的に雇用しているところもあります。

嘱託の薬剤師は、正社員と比べて給与が低いことや、ボーナスがないなど短所はありますが、前述した「期間限定の薬剤師」と違って長期で雇用され、すぐに辞めなければいけない心配もあまりありませんので応募しやすいのではないでしょうか。

大規模病院の正社員になるには、テストや面接などに合格することで多くの応募者の中から選ばれる必要がありますが、嘱託職員は応募者も少なく、テストなしで面接だけで合格することもあります。

そう考えると、嘱託職員は病院で経験を積むには大きなチャンスと言えますよね。

また、嘱託職員として長年薬剤部で働き、経験を積んだ結果、周りの薬剤師から認められるようになると、次の正社員の募集時に嘱託薬剤師の中から選ばれる可能性もあります。

薬剤部側にとっても、テストや面接などに労力を費やし、一から教え込まなくてはいけない人を雇用するよりも、何年も働いて薬剤部内の仕事が一人前にできる人を正社員として迎え入れたいと思うのは当然です。

嘱託職員になれば必ず正社員になれるのかというとそうではありませんが、他の医療機関からの転職よりも正社員になれるチャンスは多いと言っても良いと思います。

転職エージェントに頼む

大規模病院へどうしても初めから正社員として転職したいという場合には、転職エージェントへ相談するのが良いと思います。

まず、転職エージェントは一般の人では手に入れられないような募集情報を持っていますので、大規模病院の既卒者の募集などの情報があればすぐに教えてくれます。

また、どのような履歴書を書いたら受かりやすいのか、どのように面接をすれば今までの経験をより良くアピールできるのかなどありとあらゆる面でサポートをしてくれることも転職エージェントを利用する大きな利点の一つです。

転職エージェントによっては、面接のシュミレーションをしてくれるところもありますので、どのエージェントが良いのかじっくり選んでみてください。

ただ、大規模病院の募集がいつもあるわけではありませんので、転職エージェントだけを頼っているとタイミングによっては転職ができないという結果になってしまいかねません。

転職エージェントに頼みつつ、自分でも嘱託や期間限定の募集、また可能性は少なくても一般募集している病院を見つけて受けてみるなど、できることを並行して行うことが良い結果につながると言えると思います。

まとめ

今回は、新卒ではなくても総合病院や大学病院に就職する方法についてお話してきました。

簡単にはいかなくても、いろいろな方法を並行して行うことで、大規模病院への転職成功に近づけることが分かったのではないでしょうか。

私も、期間限定の募集や、嘱託職員の募集を通して大規模病院の仕事を学ばせてもらった薬剤師の一人ですが、薬剤部内での仕事や病棟業務など貴重な経験をすることができ、その後診療所や保険薬局、また企業においてもその経験を活かすことができました。

新卒の薬剤師でないと大病院への就職は難しいというのは事実ですが、たとえ新卒ではなくても今回紹介した方法などをためすことで、少しでも転職の成功率が上がってくれたら嬉しいです。

一人でも多くの薬剤師が大規模病院で活躍できますように祈っています。

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