薬剤師の年収が決まる業界は制度依存型

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薬剤師が転職・就職をする業界は、医療という大きな箱の中にある一部です。

 

医療は人の安心・安全を保証するためにあり、国の重要な政策に大きく関わってきます。
そのために製薬メーカー・病院・薬局、さらにそこで働く医療従事者にはさまざまな法の規制があります。
薬を通じて医療の一翼を担っている薬局・調剤薬局も、例外ではありません。

 

 

医療行為は法律で管理・規制されている。

医療・医薬品業界には他の業界とは異なる厳しい規制があり、この厳しい規制の範囲内の出来事である医療事故の責任は、国に問われることになります。
薬剤師・医師・看護師などの医療専門職種については薬剤師法・医師法・保健師助産師看護師法、医薬品・医療材料については薬事法、診療や費用については健康保険法とすべて法律で定められています。
薬剤師は、その規制の中で働き収入を得ているため、規制の改正によって活動内容や収入金額がある日を境に一瞬にして変わってしまう規制制度依存型業界なのです。

 

 

どのように薬剤師の収入が決まっていくのか?

薬剤師や医師、サービス業やドライバーなど職種や業種に関係なく、すべての職業の収入は、需要と供給のバランスで決まってくると私は考えます。
どれだけの企業がサービス価値を提供できる人を求め、そのサービス価値を提供できる人がどれだけいるのか?
これが経済活動の中で、オークションのように決まっていくと思っています。

そんなに単純ではありませんが、根本はこの形でいろんなものが重なり、決まっていくのだろうと思います。
ある国では薬剤師の資格があっても仕事がなく、タクシードライバーをやらなければならないという話も聞いたことがあります。10年ほど前に実際にあった、年収が1000万円の地方調剤薬局の求人募集が、今はないことにも説明がつきますよね。

 

 

調剤薬局の薬剤師の給与の動向が業界の給与をリードしている?

そんな??と思うでしょうが、これはあくまでも私の仮説です。

薬剤師の人気就職先である製薬メーカー・一般企業などを除いて、薬剤師の大部分は病院・調剤薬局・ドラッグストアに就職・転職をしています。
その中でも調剤薬局は大きなボリュームを持っています。
そのため、ドラックストアは調剤薬局より年収50万~100万円年収をを高くしないと薬剤師を集めることができません。
製薬会社と同じく人気の就職先である病院は、調剤薬局より50万~100万円年収が下でも薬剤師は集まりますが、それ以上差がつくと病院から調剤薬局に薬剤師が流れてしまいます。
このような心理が働いて、調剤薬局の給与によって業界相場が決まってきている感があります。

 

 

調剤薬局の薬剤師の年収はどのように決まる?

当たり前のことですが、調剤薬局は薬剤師の年収を考える前に調剤薬局の利益を考えます。
調剤薬局の売上・利益によって薬剤師に年収をどこまで出せるかが決まります。

調剤薬局利益は、『売上-経費=利益』です。 売上は調剤報酬や薬剤師が1日に処理できる処方せん枚数、経費は薬局の構造設備・人的要因により変動します。
調剤報酬は、薬剤師のサービス価値フィーと薬代で決まります。この薬剤師のサービス価値フィー(調剤技術料・薬学管理料)は、中央社会保険医療協議会(中医協)が内閣と社会保障審議会の意見をもとに決定します。
中医協で定めた調剤報酬がと薬剤師のサービス価値フィーが完全に直結するわけではありませんが、この報酬をもとにさまざまな要因がかさなり、調剤薬局の薬剤師の年収が定まってくると考えます。

 

 

将来の薬剤師年収で知っておくべき危険なこと

それはやはり、薬局調剤医療費への批判です。
医薬分業の費用対効果に対する疑問、これは私も感じます。

調剤薬局の薬剤師が病院のドクターが出した処方箋に意見できない、ドクターは薬剤師に対して「書いたとおりに薬を出せばいいんだ」という態度をとるといったケースがあります。
その結果、薬剤師は医者と患者の板ばさみになり、発言を控えるようになってしまいます。
ドクターに強く質問できない患者さんが、「薬剤師さんに相談してみよう!」と思っても、薬剤師が言葉を選びながら頼りない回答をする・・・、滞在時間は長くなり患者さんの満足が得られないという最悪のケースも考えられますよね。
多少のメリットはあるけれど、そこまで医薬分業に費用をかけるべきか?
薬暦のズサン・不正請求の表面化など、国民の批判が今現在もあるということを知っておくべきだと思います。

 

 

まとめ

薬剤師が働いて収入を得ている業界は、国の政策・制度・法律によって収入が変動する業界です。

日本の財政が厳しい中、医療だけが特別ではなく薬剤師も国民に支持されるような努力をしなければ将来は厳しいと思われます。
現在、調剤薬局は医薬分業の上で経済活動が成り立っています。この医薬分業も先人の薬剤師が努力をして勝ち取ってきたものです。
薬剤師の制度依存型業界は、1日で右から左へと制度・法律が変わってしまう危険な業界であると理解しておく事が大切です。

 

 

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