薬剤師の年収、転職を繰り返す事で抱える3つの大きなリスク(危険)

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薬剤師は医師、看護師と同様に転職を繰り返す職種の一つになっています。

転職を繰り返すことで年収がアップし続けるのでしょうか?

また、転職理由のトップに入る人間関係は解決できるのでしょうか?

今回、薬剤師の転職を何百人とサポートしてきたコンサルタントに話を聞き、転職を繰り返す事で抱える3つのリスクをご説明したいと思います。

 

目次

 1.最初の転職理由と原因(薬学部が6年生になるまで)

 2.薬剤師の転職は永遠にしやすいのでしょうか

 3.40代、50代でも好条件で転職できる人材

 4.転職を繰り返す事で抱える3つの大きなリスク

 5.まとめ

 

 

 

1. 最初の転職理由と原因(薬学部が6年生になるまで)

薬剤師の転職理由のトップは人間関係。2番目に年収のアップ、次いでスキルアップです。

 

最初の転職話の前に新卒時の就職から始まります。

一般の学生と違い、就職の前に薬剤師ライセンスの取得(合格)という大きな関門があり、就職活動に時間をかけることができませんでした。

就職活動と国家試験の勉強は同時期にやってきます。

当然、国家試験の合格の方に重きをおいています。それは薬剤師の資格があってこその就職なので当然の話です。

ただ、優秀な学生が簡単に薬剤師ライセンスを取得し、就職も理想的な終身雇用できるような先に就職するのはかなり難しいことです。

理由は薬大の構造にありました。

 

薬大は薬剤師の資格を取らせるために専念する私学と、薬剤師資格取得の対策勉強より薬科学ついて学ばせる難易度の高い大学に別れてました。(薬学部6年になるまで)

成績優秀な難易度の高い大学では、在学中にあまり国家試験対策を行わないし時間もとってもらえません。

企業が求む成績のよい優秀な薬学生は薬剤師の資格も取得しません。大学院に進学、製薬メーカー研究者の道です。(念のために薬剤師の資格取得)

製薬メーカーや化学・食品等の薬学を活かした就職ができなかった学生及び病院、薬局に就職をを考えている学生は国家試験勉強(薬剤師資格)に必死でした。

このような理由により就職に時間をかけることができなかった事から、就職をしてからの就職先への迷い、今の現状に対して不満、後悔が生まれ、そして簡単に転職ができる環境から最初の転職活動が始まります。

 

転職をすることで解決することもたくさんあります。

人間関係、収入、就業時間、職場環境等です。

ただ、簡単に就職ができるからといって転職を続けても、すべてが満足できる就職先はあるでしょうか?

答えは

ありません。

人の満足にはきりがありませんし、全てが満足できるような環境はありえないと思います。

 

 

 

薬剤師の転職は永遠にしやすいのでしょうか?

確実に言えることは、薬剤師も年齢が増すと転職がしにくくなるということです。

 

では企業側はどのような人を望んでいるのでしょう?

まず、患者さんに対してキチンとした対応ができる事。

 

きちんとした対応って?

ここが大事なところです。

まず、薬剤師としての知識・経験・患者さんに対しての接遇です。

そして、仕事は一人ではできないので働く者同士の協調性・会社組織の使命・ビジョンの共感等ができる人などが企業側が望む人の理想像になっています。

知識・経験・接遇・協調性そして組織の使命の共感が完全に企業が思っているようにできる人はそうそういません。

企業はこのような人を教育により成長させていきたいということなのです。

この企業が望む成長が、年齢を増すごとに受け入れられなくなっていきます。

このようなことから企業は、やる気がある若い人を望みます。

 

また、薬学部が6年生になったことで、新卒でも現場で即戦力として活躍できる人材を確保できるようになり、職業意識の高い薬剤師が増え都会などのエリアでは充足状態になっています。

感じるのは、ここ10年で大きく変わってきていることです。

今は地域(エリア)・職種によって転職が可能な状態なですが、将来は今みたいな転職環境は続かないと見ていた方がよいでしょう。

 

 

 

40代、50代でも好条件で転職できる人材

「年齢が高い人すべてが悪いわけではありませんっ!!」と多くの企業の方々が言っています。

 

就業経験の長さから得られる経験・スキルがあります。調剤・医薬品の知識・患者対応・組織をまとめる力などです。

特に薬剤師が必要なのは、病気・医薬品の知識・調剤の経験です。

 

医薬品も多岐に渡りますので、経験すべきは総合病院等の門前調剤薬局経験です。

そこではたくさんの医薬品・病気等に関わることができるので、多くの事に精通することができるようになり、万能な経験をすることが可能になります。

 

それでは大きな病院の院内薬局はどうか?

病院次第です。

病棟経験をつめればよいのですが、ただ院内で調剤をする、渡すだけでは経験になりません。

病棟で充実した服薬指導ができる環境であれば薬剤師も病気・検査・医薬品の知識が実践で増えていくので大きな経験になります。

ドラッグだけOTCだけの経験で40代・50代で転職をするのであれば転職先は限られてきますし、同職種のドラッグか医薬品数の少ない眼科・皮膚科・整形外科の門前薬局などに転職するなど、地域(エリア)、タイミングが大事になってきます。

※6年生になった薬学部の人気就職先はまた別のコラムで掲載します

 

 

 

転職を繰り返す事で抱える3つの大きなリスク

リスク1:  矛盾が発生!!都会がよいか?地方がよいか?

大変になるのは40代過ぎてからの転職です。

30代までは思った通りの転職が比較的できやすいですが、40代になると経験・タイミングが大事になってきます。

また、40代からのスキルアップはオススメしません。

スキルアップは30代までに済ましておく事です。

40代になれば新しい事を学び、身に付けることは大変になりますし時間もかかります。家族の理解も必要になります。

40代で30代と同じような気持ちで転職しようとしても、思っているような年収が出なかったり、社員ではなく契約社員ならみたいな提示する企業もあります。

求職者も40代になれば子供の教育を考える年齢になりますので、やはり地方よりも都会のほうが学校の選択肢は広がります。

ただし、都会は薬剤師の年収が低くこれから教育にお金がかかる時期に年収が低いという事がリスクのひとつになります。

===>> めずらしい逆転現象!! 都会より地方の年収が高い??薬剤師

子供の選択肢を広げることを考えて都会を選ぶと収入が不足し、収入を選ぶと子供の選択肢が広がらない・・こんな矛盾を解決しなければならないことです。

 

リスク2:  転職を繰り返すことで忍耐力を失ってしまう

転職理由の中で人間関係がトップですが、若い時からいやな事から逃げていると、我慢するという忍耐力を養う事ができなくなります。

簡単に転職できない人達は、我慢をしなが解決策を模索したり、時間が解決する”人生いい時もあれば悪い時もある”事を経験していきますが、転職をして解決することを覚えてしまうと我慢することを忘れてしまい忍耐力を失ってしまいます。これが致命的なリスクになります。

 

リスク3:  薬剤師の売り手市場は常に変化する事

薬剤師の売り手市場は非常に早く変わります。

15年前であれば鹿児島、東北、北海道などで年収1000万を超える急募求人もたまに見かけることがありました。しかし今はどの地域でも年収1000万の求人を見ることはありません。

年収環境が凄まじく早く変わるという事です。

今の環境が長く続く事と思わない方が良いでしょう。

当時、年収1000万で転職をされた方で今でも年収1000万をもらっている方はほとんどいません。

企業はけして喜んで高い年収を出しているわけではないということです。

代わりの薬剤師が見つかればすぐに退職へと追い込まれるし、また、年収を低くするような交渉をしてきます。

それだけではなく調剤報酬の改定という問題もあり、薬剤師1人の仕事の利益が簡単(4月1日)に変更されてしまい、企業側が出したくても出せなくなる状況になるということです。

※今後の調剤報酬の流れはまた別のコラムでお話します。

 

 

 

まとめ

薬剤師の年収事情は常に変動する事で将来40代からの転職がもっと厳しくなる可能性が高くなる事を理解しておくことが必要です。

酷い仕事場で我慢し続ける必要性はありませんが、安易な転職は今は良いですが後々大変になることもあり、多少の我慢も必要だということです。

今は薬学科と薬科学科に区別されましたが薬学科に進み薬剤師になる方は若い間に自身のスキルアップを考えて経験を積む事が理想的。

年収アップを考えた40代以上の転職は、タイミングとしっかりした相談パートナーが必要ですので、数社の人材紹介会社を利用し話を聞くのもひとつ手段です。

 

 

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